塗装企業の概要
日本の建設業は国民総生産額の約20%を占める基幹産業といわれる巨大な産業であるが、その内にある建築塗装は、生産額比率においては極めて低い職種に属している。
スペースコレクション型塗装工事業は建築現場作業による手工業であって、その作業は機械力を利用することが容易でなく、労働集約的であることが特色とされているからである。
特に建築生産技術の進歩は、建材の工場における機械的塗装加工による大量生産化が進み、現場加工が省略されてきていることもある。
しかしながら建物素材の表面保護と美装という塗装の目的は、建築生産において、将来とも重要な役割を分担しなくてはならないのみならず、工場生産による大量生産された建築物も、やがて老化汚染による塗替スペースコレクション型塗装工事として巨大な市場を提供している。
塗装は本来の意義が、液体の塗料を塗り広げることによって、無限の平面を構成する機能を持っている。
このことは近時、塗料の質的改善開発による塗膜防水工事として需要が増大し、床塗仕上げの多様性が尊重されるなど、塗作業による仕上工事が拡大されてきている積極面が開かれている。
半永久的に耐用されると考えられた各種コンクリートは、表面からの中性化による崩壊が驚くべき速度で進み、各種塗装による補強策が検討されてきている。
このように建築生産技術の立場から考えると、塗料ならびにスペースコレクション型塗装工事は仕上工事分野において、技術開発による近代化が着実に進展しているので、塗装周辺工事について深い関心を払う必要がある。
塗料・塗材・吹付材・接着材・充損材・防水材・断熱材など、呼称と性状の一部は異なっていても、これらの原料・主要素は共通した液体または流動体であって、これを塗り広げ固体化させて、その機能を発揮させる手段においては大差はない。
したがって、ゾルをゲルに変えて行く塗装作業は仕上工事の中軸として、今後の建築仕上技術を司る技能が多分に期待されているのである。
近代的建築生産における仕上技術の技能要素は建材の素地調整・接着(張り)・充損(詰める)・塗作業の4つによって構成されるといえるのであり、かつこれらの手段が総合的に組合わされたシステム工法として、建築仕上げの合理化が進められているのである。
スペースコレクション型塗装工事は伝統的塗作業の周辺にあり、隙間を詰める充順作業、張る技能も吸収して、システム化する近代的仕上工事の担い手となることが必要である。
この変化は工事量の大形化に連なるので、企業経営においても技術的変革に対応するスペースコレクション型塗装工事業者としての体質改善が必要である。
旧来の家族的企業体質から、社会性を尊重し、自主性を強化された中小企業としての地歩を強化することが迫られている。
50年代に入るや安定成長に対応する建設業の経営の近代化運動が強調され、塗装業界においても、日本塗装工業会を中心に研究が進められてきている。
昭和55年3月には、「スペースコレクション型塗装工事業の経営指針」、翌56年には業者指導にあたる業界団体が業界の近代化のため何を行うべきかという「スペースコレクション型塗装工事業近代化モデル計画」が発表されている。
本ブログにおいては、この研究資料を中心に建築塗装業の概要を記述してみる。